近年全国で問題となっているゴミ屋敷は、多忙やストレスなどで掃除ができなくなって引き起こされます。ここでは、ゴミ屋敷の掃除方法についてまとめてみました。
自分で掃除ができる基準をチェック
まずはゴミ屋敷を自力で掃除できるレベルか、片付け業者に依頼するレベルなのかを判断する必要があります。以下の3つの条件を満たしていれば、自力でどうにか掃除ができるでしょう。
- 部屋の広さが3DK
- 洗面所・キッチン・お風呂場など、水回りが機能している
- 住んでいてなんとか生活ができる
以下の項目にひとつでも当てはまる場合は、片付け業者に依頼することをおすすめします。
- 3DK以上の広さがあり、家のいたるところがゴミで埋まっている
- 家だけではなく、庭や駐車場もゴミで溢れかえっている
- 水回りが機能せず、生活ができない
掃除をする前に、自分で対応できるかどうかをきちんと判断してみてください。
ゴミ屋敷を掃除する心構え
家や部屋の中がゴミで溢れかえっているゴミ屋敷は、掃除をする気力が湧きづらいのは仕方がないことです。しかし、片付けないとずっとゴミ屋敷のまま。ゴミ屋敷をどうにかしたい人は、ゴミ屋敷の掃除に対する心構えが必要です。ここでは、ゴミ屋敷を掃除する前の心構えを3つご紹介します。
すべて処分する
ゴミ屋敷にする人は、とにかく物を残したがる特徴があります。そのため、すべてを処分するといった覚悟を決めることが大切です。ゴミ屋敷になる根本的な原因は、物が捨てられないこと。 物をとっておくこと自体は悪いことではありませんが、限度があります。中途半端に物を残してしまえば、すぐにまたゴミ屋敷へ逆戻り。生活していくうえで最低限の物だけ残して、潔くすべて処分する覚悟を持ちましょう。
目の前の作業に集中する
ゴミ屋敷を掃除する前は、目の前の作業に集中することを意識しましょう。掃除を始めようと意気込んでいても、溜まったゴミを目の当たりにすると思わず尻込みすることも。しかし、掃除を始める前からやる気をなくしてしまっては、いつまでたっても行動できません。掃除を始めると決めたら先のことは一切考えず、目の前のゴミを片付けることに集中しましょう。
捨てることをためらわない
ゴミ屋敷の掃除をしていると必要がない物でも捨てるのをもったいないと思い、処分するのを躊躇するケースがあります。物を大事にすることは良いことですが、物が多すぎるとかえって問題に。ゴミ屋敷の掃除をする際に物を捨てるか捨てないかで迷っていると、掃除の作業スピードは格段に落ちます。ゴミ屋敷を片付けると決めたのであれば、迷わず捨てるようにしましょう。
片付けるための準備
ゴミ屋敷を片付ける心構えができたら、次は片付けるための準備が必要です。計画を立てずになんとなく掃除をすると、作業はほとんど進みません。そうなると逆にやる気がなくなり、ゴミ屋敷のままに…。そうならないためにも、片づけを始める前は以下の準備をしましょう。
人手とスケジュールの確認
ゴミ屋敷と言われるほどの部屋なので、1日で片付かないと思ったほうが良いでしょう。また、ひとりで片づけをするのは難しいと考えてください。家族や友人のお願いをして最低でも3人の人手を集め、2~3日はスケジュールを開けていてもらうのがおすすめです。 ゴミで埋もれた家を見られるのはとても恥ずかしいと思いますが、ゴミ屋敷を片付けるためには恥を捨ててください。もし人に見られたくないという気持ちのほうが勝ってしまう場合は、片付け業者に依頼すると良いでしょう。
100枚以上のゴミ袋
住んでいる地域が指定しているゴミ袋、指定されていなければ丈夫で破れにくい大きなゴミ袋を用意しましょう。相当なゴミがあると思うので、100枚以上は準備するのがおすすめです。ゴミの中には割れ物や先が尖った物あると思うので、土嚢袋(どのうぶくろ)や、新聞紙も併せて準備してください。
マスクや軍手
片付けをする際は衛生面や、作業効率を考えることが重要です。マスクや軍手、エプロンなどを利用して片付けは行ないましょう。
ゴキブリ駆除剤や蚊取り線香
生ごみが多いと、間違いなくゴキブリやハエの巣窟になっているはずです。掃除をする度に目撃していたら、作業をスムーズに進めることができません。 ゴキブリ駆除剤は部屋全体にある霧状タイプと、ピンポイントで狙い撃ちできるスプレー式を用意すると作業効率は上がります。蚊取り線香は小バエを弱らせるだけでなく、ゴミの悪臭を抑える効果があるため片付け中に焚いておくと良いでしょう。
掃除用具
片付けを終えた後は室内を掃除する必要があるので、ほうき・掃除機・雑巾・モップ・洗剤・バケツといった掃除用具を準備しましょう。
軽トラックやライトバン
大量のゴミを運ぶのに必要です。運転手がいなかったり車両が用意できなかったりする場合は、ゴミの運搬だけ業者に依頼する方法もあります。
ゴミ処理センターの受付時間を確認する
ゴミの処理を業者に依頼しない場合は、自治体のゴミ処理センターに持ち込むのがおすすめです。平日であればほとんどの自治体で受付を行なっているので、最寄りのゴミ処理センターの受付時間をチェックしましょう。処分には手数料がかかるので、注意してください。
片付けをする手順
ゴミ屋敷の片付けはダラダラしていると、絶対に終わりません。手順を決めて、短期間で終わらせるようにしましょう。
1. 害虫駆除を行なう
ゴミを移動させる度にゴキブリが出たり、ハエが飛んできたりしていては片付けどころではありません。掃除をする時は、霧状の殺虫剤を使用して室内全体の害虫を駆除してください。 通常殺虫剤は1部屋にひとつの使用量となっていますが、ゴミ屋敷は害虫の巣窟となっているはずなので2つ使用しましょう。もし、この段階で手に負えないと感じるのであれば、すぐにでも専門業者に依頼するのがおすすめです。
2.入り口付近から片付けを始める
片付けは入口付近にある、ひと目でゴミとわかる物から処分しましょう。ペットボトル・紙類・食品・プラスチック・缶など、とりあえずゴミ袋に入れてゴミの量を減らします。このとき忘れてはいけないのが、スプレータイプの殺虫剤を持つことです。 たとえ害虫の姿は見えなくても、殺虫剤を噴射しながらだと片付けははかどります。広い部屋を掃除することを最初から考えてしまうと途方もない気がして、片付ける意欲を削がれることも。まずは、入口付近の狭い範囲からキレイにしましょう。
3.仕分け作業
部屋中のゴミを処分した後は、捨てる物と捨てない物を仕分けします。ただゴミを捨てるのとは違い考える必要があるので少し面倒に思いますが、決まりをつくってしまえば単純作業です。仕分けする際は、以下のような決まりをつくりましょう。
すべて処分する
生活するために必要最低限の物と、貴重品以外は基本的に処分してください。ゴミ屋敷になった原因は、物が多いことにあります。いらない物を処分しなければ、解決することは困難です。ゴミ屋敷の場合は置かれている物が害虫被害やホコリなどで損傷しているはずなので、使える状態にないものは迷わず捨てましょう。
仕分けボックスを準備する
捨てる物・捨てない物・保留の3つの箱を用意し、該当する物を箱に入れるようにします。その際に注意して欲しいのが、保留の箱には物を入れないようにすることです。捨てる物より保留の箱が多い状態では、片付けの意味がありません。どうしても判断がつかないときだけ、保留の箱に入れるようにしましょう。
4.清掃作業
ゴミをすべて部屋から出したら、清掃作業に移りましょう。掃除機やほうきでホコリを除去し、洗剤を使用して雑巾やモップがけをします。生ごみから出た浸出液は害虫が寄ってくる原因となるので、洗剤は強力な物を使用してください。手に負えない場合は、ハウスクリーニングをするのがおすすめです。片付け業者の中には、ハウスクリーニングに対応しているところもあります。
片付けられないと判断したらプロに相談
自分で掃除をしてはみたものの、作業が上手く進まなかったり心が折れてしまったりした場合は片付け業者に依頼をしましょう。素早い作業で片付けをしてくれるので、元のキレイな状態の部屋で新たに生活することができるはずです。