100人に1人はかかるとされているほど身近な症状として知られてきた統合失調症。主な症状として、妄想や幻覚症状があるといわれています。
この記事では、統合失調症とゴミ屋敷の関係とその対処方法について紹介しています。
統合失調症の症状でゴミ屋敷化してしまう恐れのあるもの
幻覚や妄想であれば、普段の生活からゴミ屋敷に発展するほどの影響はないのでは?と、考える人もいるかもしれません。
ところがまったくその逆で、統合失調症は「生活に影響があり、通常通り暮らせなくなる」状態が特徴とされており、そこからゴミ屋敷になる可能性が高いとされています。
効率よく動けない
注意力が低下し、適切な行動が何かを判断するのが遅くなってしまう統合失調症。そのため、ゴミ収集日に合わせてゴミをまとめたり出したりする、という日常生活の判断も遅くなり、ゴミを適切に出すのが難しくなると考えられます。
また、ゴミの処理には、「分別」という作業が必要です。思考能力が低下している統合失調症の人は、地域のルールに合わせて燃えるごみ、燃えないゴミ、資源ごみなどを分別していくのも難しいと感じてしまいます。そうしているうちにゴミを片付けることが億劫になってしまうことで、蓄積してしまうことも理由に考えられます。
感情が動きにくい
統合失調症の症状に、自分の感情が動きにくい、人の感情を理解しにくいといったものがあります。特に自分の感情が動きにくいのは、部屋や家を片付けるうえで壁になってしまうでしょう。
キレイにしようという気持ちが起こりにくく、片付いた部屋で嬉しくなったりすっきりするという感情が少なくなります。
意欲がなくなってしまう
意欲がなくなっていくというのも統合失調症の症状に含まれるとされています。
統合失調症の方は、片付けそのものへの意欲がなくなり、ゴミ屋敷化してしまう可能性が高まるということです。
部屋にゴミが積み重なっていく状態を見ても整頓する意欲がなくなっていれば、放置してしまいやがてゴミ屋敷となっていきます。
(参考:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス
URL:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_into.html)
統合失調症でゴミ屋敷化するのを予防・対処するには?
統合失調症でゴミ屋敷になっていると思われる場合、できることは以下の5つです。
- 統合失調症の専門医療機関にかかる
- ゴミ業者に依頼する
- 批判的な接し方をしない
- 心配しすぎない
- 保健所や地域の相談の場で話す
統合失調症は妄想や幻覚の現れる精神的な病気です。
まず専門医療機関にかかり、相性のよいお医者さんに出会うことが大切です。
次に、散らかっているゴミ屋敷を片付けるために、ゴミ業者へ「ゴミ屋敷掃除」または「生前整理」などの清掃依頼をすること。
そして、統合失調症の患者さんには「批判」、「避難」、「否定」的な接し方はせず、感情を無理に動かさないように接するように心がけましょう。
周りの方が辛いと感じるときは、地域の相談所や保健所にて悩みを打ち明けるのもおすすめです。
参考:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス
(URL:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_into.html)
統合失調症と「うつ」は別物
統合失調症がゴミ屋敷の原因になりうるという話をしてきましたが、症状を見ると「うつ病と同じ?」と似ているため混同してしまう人もいるかもしれません。
この二つの違いとして、統合失調症は「注意力や意欲が落ちるなど、考えの低下」が特徴で、うつ病は「幸せを感じられない、やる気にならないなど、気分の低下」が特徴です。
そのため統合失調症とうつ病は別物と言え、それぞれに合わせて適切な治療・処置をおこなうことが重要です。
参考:ハートクリニック こころのはなし
(URL:https://www.heartclinic-odawara.com/kokoro/byouki/ippan_top.html)
ゴミ屋敷で悩んだら片付け業者と医療機関へ
身近な人の家が散らかってきたと感じた際は、気分の低下なのか思考力の低下なのかで専門機関を選び、早めの受診も検討してみてください。
また、散乱した家や部屋の掃除には、ゴミ清掃を専門としている会社へ相談するのがよいでしょう。
ゴミ業者は、「面積」「スタッフの人数」「回収したごみの量」「部屋の数」「トラックの数」など、さまざまな基準で料金を設定しています。
なるべく料金を抑えるには、ゴミ屋敷の広さやゴミの量に合わせて業者を絞りこみ、見積もりを出してもらうのがおすすめです。
このサイトでも、ゴミ業者の口コミや基本情報を紹介しているので参考にしてみてください。