ここでは、ゴミ屋敷に発生する害虫のリスクについて紹介していきます。
ゴキブリ
ゴミ屋敷に発生する代表的な害虫はゴキブリです。日本で多く見られるのはクロゴキブリやチャバネゴキブリなど。暖かく不衛生な場所で繁殖します。見た目が不快なのはもちろん、糞をまき散らして部屋を汚し、菌やウイルスを媒介して衛生環境を悪化させる害虫です。屋内にあるゴミを除去したうえで、侵入経路を防がなければ駆除は難しいでしょう。
ハエ
ハエには多くの種類が存在しますが、家の中を好むのはイエバエです。ハエは隙間さえあれば屋外と屋内を自由に行き来します。問題なのは、屋外にある汚物に触れた後に、屋内へ侵入して食べ物に触れること。汚物に付いた菌を知らない内に口にして、食中毒を起こす可能性があります。また屋内にある食べ物に卵を産み付けられると、幼虫であるウジが発生。そのまま成長すれば、ハエが大量発生してしまいます。駆除するには室内のゴミを片付け、食べ物を放置しないなどの対策が必要です。
チャタテムシ
世界中に2000種類以上が確認されているチャタテムシ。そのほとんどは屋外に生息していますが、一部は屋内を好みます。屋内でよく発見されるのは、コナチャタテやカツブシチャタテ、ヒラタチャタテなどです。食性がとても広く、古紙や乾物、チーズなどを好んで食します。また種類によってはメスのみで繁殖するものも。チャタテムシは高温多湿の場所を好みます。ゴミが溜まり、空気が淀んでいるゴミ屋敷はチャタテムシの住処として最適だといえるでしょう。
ダニ
ダニはクモやサソリの仲間で、あらゆる場所に分布しています。屋内に生息するダニは「屋内産性ダニ」と呼ばれるもの。1年中発生するヒョウヒダニ、湿度が高くなる梅雨時期に発生するコナダニやツメダニ、ねずみに寄生するイエダニが主に屋内で確認できます。人体へ影響を及ぼす屋内産性ダニ。この中でもヒョウヒダニはアレルギーの原因になります。イエダニは人に寄生し吸血、感染症を引き起こす可能性も。コナダニやツメダニも増えすぎると刺咬(しこう)被害が起こる可能性があるようです。発生した場合は、部屋を片付けたあとで、殺虫剤を散布する必要があります。
ノミ
主に犬や猫に寄生する害虫です。ペットを室内に入れる家庭で確認できます。ほかにもネズミに寄生して屋内へ侵入する場合も。ゴミ屋敷の場合は、ネズミが侵入してノミを持ちこんでいる可能性があります。犬や猫、ネズミだけでなく、人にも寄生して吸血。飛ぶ力が非常に強いので、容易に人の身体へ飛びついてきます。発生した場合は、屋内を片付け清潔に保ち、殺虫剤で駆除するなどの対策が必要です。
カツオブシムシ
年に1~2回発生する害虫で、日本だけでなく世界各地に分布。幼虫は衣服を食害することから「衣類害虫」とも呼ばれています。また乾燥食品やペットフードなどが被害にあうことも。床やカーペットなどに落ちている食品のクズを食べながら移動し、衣類が収納してある場所に侵入します。屋内の掃除をこまめに行ない、衣類に防虫剤を入れるなどして対策を行ないましょう。
シバンムシ
小麦粉や米粉、乾燥麺類などを好んで食害するシバンムシ。トウガラシやコショウなどの香辛料にも発生します。また食性がとても広く、畳やドライフラワー、肥料などが被害を受けることも。大きさは1.5~3mmほどで、カブトムシのメスのような姿をしています。人に対して直接被害を加えることはありません。しかしシバンムシの幼虫をエサとするアリガタバチを引き寄せる可能性があります。1.5~2mmと小さいアリガタバチですが、ハチの仲間で刺されるとアナフィラキシーショックを引き起こす原因に。最悪の場合、死に至ります。シバンムシによる1次被害・2次被害をなくすため、屋内を清潔に保ちましょう。
害虫の被害を避けるために
衛生面の悪化や人体への影響など、害虫が発生すると家と住人にダメージが加わります。害虫被害を最小限に食い止める、あるいは未然に防ぐためには、すぐに家を片付けるのが1番です。しかし、モノが溜まってゴミ屋敷に近い状態になると、自分で片付けるには限界があります。害虫の発生は、自分の家だけでなく、近隣の家にまで及ぶ可能性も。できるだけ早く解決するために、片付けのプロに相談してみるのも良いでしょう。