高齢になった人のお家がゴミ屋敷化してしまう問題。ゴミ屋敷になってしまう家主には、精神的な要因や環境的な要因がある場合もあると言われていますが高齢者の場合も変わりません。
ゴミ屋敷化してしまい、そのまま放置してしまう原因とその対処方法を紹介します。
誇りがあるゆえ?高齢者のセルフネグレクト
高齢者の中には、片づけられない状況に気が付いていながらも「迷惑をかけるわけにいかない」「自分で何とかできる」と考えて、助けを求めない人もいると言われています。
これは、セルフネグレクトと呼ばれています。
セルフネグレクトは、日本語で「自己放任」と言い、自分の身のまわりのことを生活に支障が出るほど放任してしまうことを指します。たとえば、片付けをしない、着替えをしない、お風呂に入らない、健康的な食事をとらない、適切な治療を受けないなどの状態が当てはまります。
周囲の知り合いや友人、家族からの声掛けや手伝いに対して反発する傾向が多いため、ゴミ屋敷になっていても片づけるどころか意固地になり、さらに状況が悪化する事態にまで陥る場合も。
セルフネグレクトは、離別や地域との関係悪化、精神疾患、認知症等が主な原因とされているため、できる限り速やかに適切なサービスや声掛けを行うことが重要です。ゴミ屋敷を片付けた後もそこで終わらずに地域から孤立してしまわないように心のアフターケアまで考えていくことも大切なポイントです。
参考:セルフネグレクトの予防と支援の手引き(https://www.lab.toho-u.ac.jp/nurs/community_nurs/article/tjoimi0000001tdj-att/tjoimi0000001z5p.pdf)
ゴミ屋敷化してしまう前兆として、以下のポイントを確認してみましょう。
- 食事の片付けや掃除ができなくなってきている
- 服装に変化がみられなくなってきた
- 一人でいることが多くなってきた
- 不衛生で体臭や異臭がきつくなってきた
- サービスを断るようになってきた
- 公共料金等の支払いができなくなってきた
上記で挙げた行動に当てはまるものが多くなってきた場合、高齢者のセルフネグレクトの可能性が高いとされています、こうしたシグナルを感じたら、ゴミ屋敷になってしまう前に話を聞いたり相談に乗ったりなど、より近い存在になれるように対応してみましょう。
便利になったのが原因?分別ができない
ゴミ屋敷になってしまう原因に周りの環境が便利になったことも挙げられます。コンビニやスーパーが遅い時間まで開いている、100円ショップ等で安くものを手に入れられるという状況は、同時に「捨てるものが増える」ということ。
高齢になるにつれ何が必要で何が必要ないものなのかの区別がつきにくくなり、気づいたときには周囲にゴミが散乱してしまうケースも少なくありません。
必要なものを考え、判断する機会が増えれば増えるほど、疲弊し、ため込んでしまうためゴミ屋敷に一歩近づいてしまう。そして最終的にゴミ屋敷へと発展してしまう状態になってしまいます。
もったいないから捨てられない!ためこみ病
高齢者のゴミ屋敷で多いのが、ためこみ病と言われています。
もったいないから捨てられない、しかし買い込んでしまう。悪循環に陥り、ゴミ屋敷へと発展するケースです。
物資の少ない時代を生きていた人にとって「物を捨てること」に少なからず嫌悪感を抱いてしまい、なかなか自分1人で改善することが難しい場合もあります。
こちらは、ゴミ屋敷の「心の病気との関係」のページでも解説しています。
高齢者のゴミ屋敷は片付け&関わりが大切
高齢者のゴミ屋敷は、セルフネグレクトやためこみ病、捨てるものの分別がつかない等の原因があると考えられます。。
ゴミ屋敷を片付け業者を使ってキレイに清掃することも大切です。
(ゴミ屋敷を片付ける業者に関しては、次の手引きを紹介するページで解説しています。)
それと同じく、高齢者が地域から孤立してしまわないように見守ること、関わることも大切です。ゴミ屋敷予防のためにも、家主のためにもなりますよ。