片付け専門業者に依頼する場合、やはり気になるのが料金です。しかし、それぞれゴミの量や部屋の広さが異なることや、依頼する業者の料金設定の違いから、一概にいくらとはいえません。いくつかの業者の料金を見ることで、片付け料金の相場を知ることができます。依頼する業者を決め、直接見積もりを取るのが料金を知る一番の早道といえるでしょう。
「今すぐ片付けないと大変なことに!」といった事情がない限り、最低でも3社程度の相見積もりを取るのがおすすめです。
ゴミ屋敷片付け業者の一般的な料金設定
ゴミ屋敷の片付け業者の基本料金は、「車両代+人件費+処分代」で構成されているのが一般的。ゴミの量に応じて車両のサイズやスタッフの人数を決めるので、電話などではなく実際に現場で見積もってもらった方が万が一の料金トラブルを避けられると思います。
汚れや悪臭が激しい、高所でつり下げ作業が必要、ハウスクリーニングも頼みたいなど、別途作業が生じた場合はオプション料金が加算されます。
ゴミ屋敷片付けの料金例
ここではゴミ屋敷片付け料金の例(基本料金のみ)をいくつか挙げてみます。いずれもゴミが溜まり、床が見えない状態のゴミ屋敷です。
- 1Kマンション(軽トラック+スタッフ1名+2時間作業)
車両費(3,500円)+人件費(6,000円)+処分費(40,000円)=計49,500円 - 1DKマンション(2tトラック+スタッフ3名+3時間作業)
車両費(13,000円)+人件費(9,000円×3)+処分費(100,000円)=計140,000円 - 4LDK一戸建て(2tトラック2台+スタッフ4名+6時間作業)
車両費(13,000円×2)+人件費(18,000円×4)+処分費(180,000円)=計278,000円 - 1Rマンション(軽トラック+スタッフ2名+2時間作業)
車両費(3,240円)+人件費(12,960円×2)+処分費(81,000円)=計110,160円 - 2DKマンション(2tトラック2台+スタッフ4名+5時間作業)
車両費(9,720円×2)+人件費(32,400円×4)+処分費(113,400円)=計262,440円
ほんの一例ですので、参考程度にお考えください。業者によって消費税込み・抜きと、表示に違いもありますので、その辺りの確認もしっかり行いましょう。
1Rや1Kなどの間取りなら30,000~80,000円が相場です。これは1~2名が長くても3時間以内で片付けが完了した場合の費用なので、比較的間取りの小さい部屋の場合は30,000円に近い費用となるでしょう。ただし、処分するゴミが多ければ多いほど処分費は増えます。部屋全体に1メートル以上のゴミが積み重なっていると、処分費含め料金が10万円を超える可能性が高いです。
ゴミの量が多いほどトラックや作業員の数も増えるので、その分の車両費と人件費もかさばります。数十分以内に終わる作業は人件費無料と設定している業者もありますが、上記の相場は床が見えない場合のケースです。複数名でやっても時間がかかると考えられるので、人件費の発生は避けられません。2DK以上の間取りは10万以上かかるでしょう。
料金設定は事前に確認しておくことをおすすめします。業者によって料金設定が異なり、別料金が発生することもあるからです。例えば対応地域外の依頼や、2階以上でエレベーターがない場合、別料金が発生する業者がほとんど。依頼前には自分の地域が対応地域内か、別料金が発生する条件がないかを確認しておきましょう。
ゴミ屋敷の程度によって変わる料金の事例
ひと部屋に天井までごみがある場合
●1Rマンション…8~10万円
ゴミの量が多ければ、それだけトラックで運び出すゴミの量も多くなります。一人暮らし用の1Rであっても、天井までゴミやものが積み上げられている場合は、2トントラックが複数台必要です。また運び出すスタッフの数も増えるため、人件費で依頼費が上がります。
ゴミ屋敷の片付け業者では、一度に多くのゴミを処分できるパッケージプランを用意しています。トラックに載せられるだけ不用品を引き取ってもらえるので、量が多い1Rのゴミ屋敷でも、お得に片付けを依頼できるでしょう。
家一軒まるごとごみ屋敷になっている場合
●家一軒まるごと…20~40万円
部屋数や庭にどれだけのゴミを置いているのかにもよりますが、最低でも数十万円単位の費用がかかります。片付けられない人の多くは、生活に困るギリギリまでSOSを出せません。家の中にゴミを溜め込めるだけ溜めてしまうことが多くあります。1Rであれば狭いぶんすぐに部屋いっぱいになって業者へ相談できますが、ある程度の部屋数や広さのある一軒家では、業者相談するまでに時間がかかります。そのぶん、ゴミの数は1Rの数倍・数十倍に!2トントラックを複数台用意する必要があります。またトラックの台数で費用を計算するため、まるごとゴミ屋敷の場合は会社で保有しているトラックの大きさ・パック料金ごとの差が大きくなります。複数の業者へ相見積りを取り、安く依頼できる会社を見つけてください。
自分でやる場合
●家一軒まるごと…家具・家電の処理費用
自治体ごとに異なりますが、家具・家電をまとめて捨てるのであれば、それだけで数万円以上の費用がかかります。東京都を例にするとテレビであれば3,000円ほど。エアコンは1,300~9,000円ほどの費用がかかります。
行政代執行の対象になった場合
●行政代執行費用…数万~数百万円
悪臭・害虫の発生など、地域住民の生活を脅かす場合には「ゴミ屋敷条例」にもとづき、行政執行の対象になります。数百万もの費用がかかるケースもありますが、一時的に費用を持ってくれるのは自治体です。しかし、最終的な請求は家主の元に届きます。
ゴミ屋敷の清掃を業者に依頼するメリット・デメリット
自分ひとりだけでは解決が難しいゴミ屋敷の片付け。ここでは、片付け業者に依頼するメリット・デメリットをまとめています。
メリット
短時間で清掃が完了する
ゴミ屋敷の場合は、通常で考えられない量のゴミを処理しなければいけません。大量のゴミを個人で片付けるとなると、何日もかかってしまう可能性があります。掃除のプロは数多くのゴミ屋敷をキレイにしてきた経験を生かし、短時間で片付けを完了させることが可能です。また、専門業者は廃棄物の処理にも対応してくれます。
周りの住人に気付かれない
ひとりで片付けるのが難しく友人にゴミの処理を手伝ってもらった場合、お家がゴミ屋敷になっていることを知られることになります。もし手伝ってくれた友人がゴミ屋敷だったと誰かに話してしまうと、あっという間に噂が広がるおそれも。
しかし、片付け業者はプライバシーを厳守したうえで清掃を行なうので、誰にも知られることなく部屋をキレイにできます。プライバシーが守られるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
ハウスクリーニングをしてもらえる
ゴミを部屋から運び出したとしても、汚れが残るケースがあります。長年ゴミを放置していると床や壁、備品などに汚れや臭いが染みつき、市販されている洗剤や消臭剤で取り除くのは困難に。しかし、片付け業者の中には特殊な洗剤や消臭剤を使い、汚れや臭いを解消してくれるところがあります。
中には壁紙の張り替えや畳の撤去まで対応してくれる業者も。部屋のすみずみまで掃除してもらえるのは、利用者としては嬉しいポイントのひとつです。
デメリット
費用がかかる
ゴミ屋敷の清掃を業者に頼む場合は、どうしても費用がかかってしまいます。ゴミの量によって費用は異なりますが、まるまる一軒分だと10万円を超えるケースも。費用には作業時間やゴミの廃棄処分費、人件費などが含まれています。
他人が部屋に入る
業者の人に汚れた部屋の中を見られるのが恥ずかしいと感じる人も多いようです。そのため、片付けのプロであっても部屋に入れること自体がネックとなってしまいます。
ゴミ屋敷の清掃を自分で行うメリット・デメリット
床が見えなくなった…程度の量であれば、時間をかけて自分で片付けることも可能です。ここでは、自分で家をきれいにするメリット・デメリットをまとめています。
メリット
お金がかからない
業者に依頼する際であれば数万~数十万円かかる片付け費用がかかりません。必要なのは、ごみ袋や清掃道具・大きなゴミの処分費用のみです。
他人を家に入れなくて済む
業者に片付けを依頼する場合、当然プライベートな空間へ他人を入れることになります。部屋にゴミやものが溜まっている状況を誰にも見せることなく、人知れずきれいな状態へと戻すことが可能です。
自分のペースで片付けられる
限られた時間で一気に作業を進める業者とは違い、自分のペースでコツコツ片付けられます。不用品と残すものの判断を細かくできるので、モノを減らすというより正しい位置へ直したい人は、自分で片付けるのがあっているかもしれません。
デメリット
ゴミの処理が面倒
自分で燃えるゴミなのか資源ごみなのか1つひとつ判断しないといけないうえに、自治体のゴミ出しルールに従った出し方をしないといけないため、大変な労力がかかります。
体力が必要
ベッド・エアコンなど、大型のゴミをひとりで移動させるのは難しいもの。また1日中立ったりかがんだりといった動作を繰り返すので、足腰へ大きな負担がかかります。
時間がかかる
片付けに慣れていない素人が1人で作業するため、効率的には進まず、かなりの時間がかかります。数日ではなく、数カ月・数年かかることを覚悟したほうがいいかもしれません。
費用を抑えるコツ
業者にゴミ屋敷の清掃を依頼するデメリットに費用面が挙げられていますが、安く抑えるコツがあります。3つのコツを紹介しているので、業者へ依頼する際に実践してみてください。
3社に見積もりを出す
業者へゴミ屋敷の片付けを頼む際は、最低でも3社から同じ条件での見積もりを取りましょう。たとえ安くても、すぐに業者を決めるのはNG。費用に何が含まれているのか、必ずチェックしてください。
追加料金が発生すると、想像以上の費用になることもあります。見積もりを比較することで、本当に安い業者を見つけることが可能です。またいくつかの業者から見積もりを取ることで値段交渉がしやすくなり、割引や特典を案内してもらえるケースもあります。
事前に片付けをする
費用はゴミの量が多ければ多いほど高くなります。安く抑えるためには、自分のできる範囲で処分しておきましょう。ゴミの量を少なくすることで、費用を安くできます。
買取してもらう
高く売れそうなものや使用できそうなものがあれば、フリマアプリやネットオークションを利用して買取に出しましょう。また、業者の中には買取に対応しているところもあります。ほとんどの業者の場合は作業費用から買取分を差し引いてくれるので、その分安くなってお得です。一度の依頼で片付と買取までしてもらえるので、手間を省けるといった点でも大きなメリットと言えるでしょう。
業者に依頼する際の注意点
片付け業者は数多くありますが、そのすべてが優良業者とは言えません。業者の中には回収した不要品やゴミを不法投棄する、悪徳業者も。その場合、責任が依頼者に問われてしまうので非常に厄介です。そのほかには、料金トラブルも増えています。依頼する際は、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
優良業者と判断するポイント
訪問見積もりに対応している
見積もりを取る際は、部屋の状況を正確に把握してもらうために訪問見積もりを依頼しましょう。訪問見積もりに応じない業者は、作業当日になって想定外の作業を行なって追加料金を請求してくるところもあります。
公式サイトに明確な料金体系が記載されている
ゴミの量や間取り別で料金体系が記載されていない場合は、不当に高額な費用を請求されるおそれがあります。
必要な資格を所有している
家庭から出るゴミを処分・運搬するには「一般廃棄物収集運搬許可証」を保有、もしくは保有している別の業者に作業を委託している必要があります。許可証を持っている業者か、事前にチェックしましょう。
行政・自治体が介入すると料金が高額になる!?
勧告を無視すると撤去費用を請求される
テレビでも取り上げられるゴミ屋敷ですが、行政や自治体が介入する場合があります。ゴミ屋敷から出る臭いや害虫、近隣トラブルなどの問題があるためです。行政や自治体が介入した際の最も注意すべき点は、費用が高額になるということ。行政からの勧告を受けていたにも関わらず、それに従わずごみを放置すると、行政による強制撤去が執行されます。そうなると、撤去するために発生した費用として、数百万と言う高額な費用を請求される可能性があるのです。
行政・自治体の介入前に業者へ依頼しましょう
数百万円という大金は、すぐに用意できるものではありません。しかし、ゴミが多くなりすぎると自分や家族だけでは処理しきれなくなってしまいます。どうすべきか分からずそのままにしているうちに、新しいゴミが増え続ける事態は避けたいところですよね。これ以上ゴミを増やさず、撤去費用を請求されないためにも、早めに業者へ見積もりを出しましょう。複数の業者情報を見て、人件費や処分費を比較してみてください。追加料金やオプションのほか、業者の評判もチェックしておくことが大切です。
見積もり依頼では、間取りや積もっているゴミの量を細かく伝えましょう。ゴミの量や大きさによっては2tトラックを使う必要があるので、どのようなゴミがあるかも記入したうえで見積もりを出してください。