成長により身についたことが、できなくなってしまう認知症。
認知症になると部屋の中が散乱し、最終的にゴミ屋敷化するという人もいますが、どのような関係性があるのでしょうか?
この記事では、ゴミ屋敷と認知症の関係と4つの対策を紹介しています。
認知症の症状でゴミ屋敷につながるもの
株式会社Good Service(公式サイト:https://www.kataduke-kaitori.com/)が実施したアンケート『ゴミ屋敷と認知症にまつわるアンケート』のインターネット調査で次のような結果が出ています。
- 認知症の人の家は50.4%が片付いていない
- 家が物であふれかえっている状態の人が43.0%いる
- ゴミが散乱している状態の人が33.7%いる
- 外までゴミがあふれている状態が2.9%
家の外にゴミが積み重なっているゴミ屋まではいかなくとも、家の中がゴミで足の踏み場のない状態の方が多いようです。なぜ、認知症だと部屋が片付かないのでしょうか?
原因はいくつかあります。
- 収集癖(ためこみ症)
- 曜日・日付感覚の喪失
順番に見てみましょう。
記銘力障害で収集癖が出てしてしまう
認知症の症状にある記銘力障害。
記銘力障害とは、新しく体験したことを覚え続けるのが難しくなる症状のこと。そのため置き場所や所持数が明確でなくなってしまい、不安だから手物においておきたいという状態から、ものを収集してしまうといわれています。
例えば、介護おむつをしようしている方で、失禁に不安を抱えてしまい、おむつが目に入れば買って溜め込んでしまう。
お昼ご飯を買い出しにいったが記憶にないため、もう一度買いにいってしまう。 腐敗してしまう食品の場合、放置は部屋の異臭やカビにつながってしまいます。
コレクターとしての収集ではなく、記憶にない、失敗してしまうといった不安にかられて収集癖が出てしまうケースが多くみられます。
(参考:平成30年度 認知症介護研究・研修東京センター 成果報告会
「認知症ケアセミナー」
URL:https://www.dcnet.gr.jp/pdf/download/support/research/center1/304/t_h30_9-1_himotokisheet.pdf)
記銘力障害でゴミ収集日が分からなくなってしまう
認知症の記銘力障害で、曜日感覚もなくなってしまうといわれています。
そのため、可燃ごみの日が分からず出せない状態になってしまい、ゴミを片付けたいという気持ちがあっても、肝心の曜日が分からなくなり、いつゴミ捨て場にもってけばいいのか、という判断ができなくなってしまいます。
また、日にちが分からなくなってしまうこともあるため、一度カレンダーで確認して「2日後に可燃ごみを出す」とメモを残したとしても、今が何日なのか分からずゴミの処理ができないという場合もあるようです。
認知症でもゴミ屋敷にならないためには
認知症の方が身近にいる場合、ゴミ屋敷や汚部屋にしないためにできることはあるのでしょうか?
すでにゴミ屋敷になりかけている、または予防をしたい方に役立つ、4つの対処法を紹介します。
- 別居の場合は同居にする
- 認知症の専門医療機関にかかる
- ゴミ清掃業者に依頼する
- 収集癖(ためこみ症)の場合、原因を探る
家庭の状況によりますが、同居できる状態にあるか考えてみましょう。悩んでいる方は、すでに同居について一度考えていることが多いかもしれません。
その場合は、介護施設で生活することは可能かも考えてみましょう。
次に大切なのは専門家に相談することです。認知症に関しては、専門医療機関への相談が第一。
ゴミ屋敷に関しては業者の「ゴミ屋敷清掃」か「生前整理」で掃除ができないか相談してみましょう。
収集癖がある方の場合は、不安要素となるものに考えられる「ものがどこにあるか不明」「いくつもっているか不明」「自分のものがどれか分からない」「必要だと思っている」などがないかチェックしてみましょう。
置き場所がわからなければ、目につく場所においてあげるといった対処で部屋が散らかるのを防げるケースもありますよ。
ただ、認知症の方は掃除を拒否してしまう場合もあります。その際は無理せずゴミ回収業者や専門医療機関に相談すると良いでしょう。
参考:平成30年度 認知症介護研究・研修東京センター 成果報告会
「認知症ケアセミナー」
URL:https://www.dcnet.gr.jp/pdf/download/support/research/center1/304/t_h30_9-1_himotokisheet.pdf
参考:知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス 認知症
URL:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html
ゴミ屋敷と認知症の関係はある!専門家に相談を
ゴミ屋敷と認知症には関わりがあると考えられます。それは曜日や日付の感覚がなくなったり、持っているのを忘れてしまったりするため、徐々にゴミが溜まっていってしまうから。また、認知症と併発しやすいとされる「セルフネグレクト」や「老人性うつ」によってゴミ屋敷となってしまうケースもあります。
そうしたシグナルが出てきたら専門家へ早めに相談をするのが良いでしょう。ゴミ屋敷を一度キレイにするためにはゴミ屋敷専門の片付け業者を利用するのがオススメです!
ゴミの量や部屋の大きさ、スタッフの数など、清掃会社によって料金加算の基準が異なるため、よく比較して検討してみてください。