ゴミ屋敷現象は、いわゆる一戸建てだけに発生するものではありません。ゴミ屋敷化の傾向がある方がマンションに住めば、マンション内がゴミ屋敷と化す可能性があります。ここでは、マンションのゴミ屋敷の特徴や原因、解決策に関して詳しく解説します。
マンションのゴミ屋敷の特徴
マンションのゴミ屋敷は、時々マスコミで報道される一戸建てのゴミ屋敷とは大きく異なる傾向があります。双方の違いを明らかにすることで、マンション特有のゴミ屋敷の特徴をイメージしてみましょう。
周りにバレているかどうか
一戸建てのゴミ屋敷の場合、ゴミは屋内のみならず、庭や道路まではみ出していることがあります。ゴミ屋敷であることが、近所にバレバレです。
一方でマンションのゴミ屋敷の場合は、部屋の中だけでのゴミ展開が特徴。廊下などの共有部分までゴミで溢れかえることはないので、周りの住人は、まさかその部屋がゴミ屋敷だとは想像もしていません。
ゴミ屋敷との自覚があるかどうか
一戸建てのゴミ屋敷におけるゴミは、本人にとって家財です。ゴミという認識はありません。よって、片付けるという発想自体が生まれません。
一方でマンションのゴミ屋敷の住人は、多くの場合、それがゴミであることを自覚しています。大量のゴミをどうすれば良いか分からなくなっている、ということです。
なぜマンションがゴミ屋敷と化すのか?
マンションのゴミ屋敷化は、ここ10~15年ほどで急増していると言われています。その背景には、本人の性格的な理由もさることながら、社会的な理由が存在していることも否めません。
マンションのゴミ屋敷が急増している主な社会的理由
ワンルームマンションが増えた
単身世帯が増加し、ワンルームマンションが急増しています。結婚するもしないも個人の自由ですが、他人の目が入らないワンルームマンションに住む以上、ゴミ屋敷化の可能性を秘めた母集団の数は増えることでしょう。
ご近所づきあいが減った
ご近所づきあいが減っているため、部屋の中を他人に見られる機会も減っています。他人の目がなければ、つい気が緩んでゴミが増えてしまうかも知れません。
ゴミ分別が複雑化した
ゴミ分別が複雑化し、かつ自治体によってルールが異なります。昔のような「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ」だけの分別であれば、今ほどゴミマンションが増えることはなかったでしょう。
食習慣が変化してきた
コンビニ食など、外から食事を購入して帰宅する人が増えています。必然的にゴミの量は増えることでしょう。
ゴミ屋敷マンションの解決法
一戸建てのゴミ屋敷の住人とは異なり、マンションのゴミ屋敷の住人には、目の前のものがゴミであり、かつ廃棄すべきものであるとの自覚があります。その意味においては、一戸建ての住人よりもマンションの住人のほうが、ゴミ状態の解決能力は高いと言えるでしょう。
ゴミ屋敷と化したマンションを正常化させるためには、単純に掃除をするしかありません。①捨てるもの、②捨てないもの、③どうすればいいか分からないもの、所有物を以上の3つに分け、これらのうち①と③は一気に捨てます。②は段ボール箱などに入れて押し入れに保管しておきましょう。
自力での解決が難しい場合には、専門の業者に掃除を依頼するしか方法はありません。たとえ想像を絶するほどのゴミマンションだったとしても、プロに任せてしまえば、ワンルーム1~2時間ほどの作業で原状回復を図ることができます。費用はかかりますが、この費用を勉強代だと考え、以後はゴミをためないよう心掛けましょう。